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隻腕の剣士、教師に
1歳9カ月のとき、脱穀機に巻き込まれて右腕のひじから先を失った。「物心ついたときには(右)腕がなかった。それが当たり前だったから、特に困った記憶はありません」と言う。
姉の影響で剣道を始めたのは小学1年生のとき。指導してくれた学校の先生は、高宮さんを特別扱いすることなく、厳しいけいこを課した。だから、ハンディを感じることもなかった。
「僕に一番合う構えを教えてくれたのも、この先生です」
高宮さんの構えは上段。左腕1本で竹刀を頭上に構える。一般的な中段の構えは攻防の変化に対応するのに最も適しているとされるが、竹刀を1度振り上げなければならないため、片手では時間がかかってしまう。上段の構えだと振り下ろすだけでいい。
「先生は口には出さなかったけれど、僕の指導法には悩んだと思う。でも僕の適性をきちんと見抜いてくれた」と感謝する。教師を志すきっかけをつくってくれた存在でもあるという。
母校の高校での教育実習で、マット運動の苦手な生徒が高宮さんの指導で上達したときにみせたはじけるような笑顔が忘れられない。「教師という仕事の魅力を改めて感じた」
片手で跳び箱を軽々と飛び越えると、生徒らの瞳が輝き、大きな歓声が上がった。「僕の信条は『やってやれないことはない。やらずにできるわけがない』。何事も挑戦せずにできるわけがなく、失敗してもやってみる価値はある。子供たちには夢をもってほしい。その思いを、口下手なので実践で伝えたい」
身長158センチ、体重50キロの小柄な体で闘志あふれる試合を繰り広げる。もし両腕があったら、剣道をやっていたかどうか分からない。片腕だったから相手より強くなるために工夫し、相手を人一倍見るようになった。
「剣道を通して、相手と向き合うことを学んだ。子供たちと真剣に向き合える教師になりたい」。間もなく大阪の小中学校で、体育教師としてグラウンドに立つ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070204-00000018-san-soci&kz=soci


